2026年10月 鉄鋼・SUS市況|棒鋼反発とねじ調達の確認ポイント
はじめに
2026年10月の鋼材マーケット情報では、国内鉄スクラップが下落する一方、棒鋼は前月より上昇しました。鋼材メーカーの追加値上げも続き、ステンレスは鋼種や加工段階によって価格改定の方向が分かれています。
調達担当者様にとって重要なのは、材料相場の上下だけでなく、必要なねじの材質・規格、現在価格、在庫、納期を合わせて確認することです。過去の鉄鋼市況の推移と2026年9月の市況も参照しながら、10月の変化を整理します。
記事の要点
- 鉄スクラップは前月比で下落国内H2スクラップ(炉前)の参考市況は49,000円/tとなり、前月から1,000円/t下落しました。一方で、2025年8月の40,500円/tと比較すると、依然として高い水準です。
- 棒鋼は反発、線材は横ばい棒鋼SD295A(D16-25)は110,000円/tで、前月比5,000円/t上昇しました。ねじ材料に関係するSWRCH線材は239,000円/tで前月と同水準ですが、資料では上昇傾向が示されています。
- 大手製鉄会社が追加値上げJFEスチールは10月商談分から鋼材全品種で10,000円/t、日本製鉄は10月引き受け分から薄板全品種で5,000円/tの追加値上げを発表しています。発表価格と実際の個別取引価格は区別が必要です。
- 工具鋼はベース価格を改定大同特殊鋼は工具鋼全品種について10月契約分から40,000円/t以上のベース値上げを実施します。合金原料サーチャージとは別の改定であり、材料費以外のコスト上昇も反映されています。
- ステンレスは鋼種別に異なる動き日本製鉄はステンレス線材のSUS304とSUS430を値下げする一方、日本精線は鋼線のベース改定を実施。SUS430鋼線は5,000円/t、SUS316鋼線は10,000円/tの値上げとなります。
10月の主な参考市況
国内H2スクラップ
49,000円/t
前月比 -1,000円/t
棒鋼 SD295A
110,000円/t
前月比 +5,000円/t
線材 SWRCH
239,000円/t
前月と同水準・資料の傾向は上向き
電気銅
2,420円/kg
前月比 +40円/kg
2026年10月9日付VOL.286の「国産一級品の月間国内平均市況」等。市況表の上向き矢印と前月差は異なる意味を持ちます。
2025年夏からの推移
| 指標 | 2025年8月 | 2026年7月 | 2026年9月 | 2026年10月 |
|---|---|---|---|---|
| SWRCH線材 | 229,000 | 239,000 | 239,000 | 239,000 |
| H2スクラップ | 40,500 | 53,000 | 50,000 | 49,000 |
| 棒鋼 SD295A | 95,000 | 110,000 | 105,000 | 110,000 |
| 冷延鋼板 SPCC | 115,000 | 120,000 | 120,000 | 120,000 |
単位: 円/t。2025年8月・2026年7月は既存の長期推移記事、2026年9月はVOL.285、2026年10月はVOL.286による参考値です。欠落月は推定していません。
ステンレスの価格改定は鋼種別に確認
| 鋼種 | 日本製鉄・線材 | 日本精線・鋼線 |
|---|---|---|
| SUS304 | -25,000円/t | -15,000円/t |
| SUS430 | -5,000円/t | +5,000円/t |
| SUS316 | 据え置き | +10,000円/t |
日本製鉄は2026年9-11月契約価格、日本精線は2026年10月契約価格の資料記載値です。線材・鋼線の改定額であり、完成したステンレスねじの販売価格改定額ではありません。
10月9日以降の補足: 10月15日には東京地区の薄板市況上昇、10月23日には日本製鉄の国内厚板について11月契約分から5,000円/tの追加値上げ方針が報じられました。いずれもVOL.286の市況表とは別の情報であり、同一指標として単純比較しません。
ネジクルの視点
関連商品
商品画像と商品リンクはネジクルの確認済み商品群コードを使用しています。現在価格・在庫・納期は各商品ページでご確認ください。
確認ポイント
- 規格・材質: 呼び径、長さ、ピッチ、強度区分、材質、表面処理が図面指定と一致するか確認する。
- 在庫・納期: 必要数量と使用予定日を確認し、在庫品か取り寄せ品かを分けて手配する。
- 価格改定: 現在価格と見積有効期限、次回補充時の価格・納期を確認する。
出典・参考資料
- サンコーインダストリー「鋼材マーケット情報 VOL.286」2026年10月9日(提供PDF)
- ネジクル「2026年9月 鉄鋼・SUS市況」(VOL.285に基づく前月比較)
- ネジクル「2025年8月から2026年7月 鉄鋼市況の推移」
- 日刊産業新聞(2026年10月15日)東京地区の薄板市況
- 日刊鉄鋼新聞(2026年10月23日)日本製鉄の厚板追加値上げ方針
掲載した価格・動向は参考指標であり、実際の取引価格を保証するものではありません。鋼材の市況、メーカーの発表改定額、ねじ完成品の販売価格はそれぞれ異なります。
在庫品は平日午前中の注文で当日発送です。在庫は毎朝更新しています。材質、表面処理、サイズを確認し、詳細は商品ページでご確認ください。
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1. 継続購入する標準品を先に確認
調達担当者様は、六角ボルト、キャップボルト、ナット、座金などの定番規格から、月間使用量、必要数量、使用予定日を整理すると判断しやすくなります。相場だけを理由に一括購入せず、必要量を基準に確認してください。
2. 原料相場と完成品価格を分ける
ねじ製品には、伸線、冷間圧造、熱処理、表面処理、検査、包装、物流などの費用がかかります。スクラップ価格が下がっても、個別のねじ価格が同じ割合で下がるとは限りません。商品ごとの現在価格と改定時期を確認しましょう。
3. ステンレスは材質指定を優先
SUS304、SUS430、SUS316は耐食性や用途が異なります。価格改定の方向が異なる場合でも、図面で指定された材質、強度、表面処理、使用環境を優先してください。変更が必要な場合は、設計・品質部門の確認が重要です。
4. 在庫と納期を同時に確認
価格改定前後は、在庫品と次回入荷品で仕入条件が異なる可能性があります。設備保全や生産計画に影響する規格では、単価だけでなく在庫数、出荷予定、必要日からの逆算を確認することが大切です。
5. 見積条件と補充時期を確認
メーカーの価格改定日と販売店の改定日が同じとは限りません。継続購入品では見積有効期限、数量条件、次回補充時の価格と納期を記録しておくと、調達計画を見直しやすくなります。