生体センサー製造工程における締結部品選定
生体センサーは、心拍、脈波、体温、血中酸素、筋電、皮膚電位などの微小信号を取得する精密機器です。 製造現場では、基板、電極、筐体、配線、封止部を安定して固定し、測定ノイズ、接触不良、緩み、腐食、樹脂割れを防止します。 本資料では、ISO 13485、IEC 60601、IEC 60529、ISO 10993、IPC-A-610、IPC/WHMA-A-620、JIS B 1111、JIS B 1122、JIS B 1180、JIS B 1256を参考に、工程別に使用部品を整理します。
工程1:受入検査と部品識別
工程内容(仕様書ベース):
センサー基板、電極、樹脂筐体、締結部品、座金、スペーサーを受け入れます。図面、BOM、ロット番号、材質証明、外観、ねじ山、メッキ状態を確認します。
なぜその作業が必要か:
生体センサーは微小信号を扱うため、異材混入、ねじ山不良、メッキ不良、寸法違いがあると、接触抵抗増加、筐体割れ、緩み、測定値のばらつきにつながります。
用途・役割:
マイクロネジは小型基板と小型電極の固定候補として識別します。JISワッシャーは締付面の座面保護部品として識別します。スペーサーは基板間距離と絶縁距離を確保する部品として識別します。
選定基準:
強度区分:4.8、8.8
材質:SUS304、黄銅、鉄、ニッケルメッキ鋼
使用環境:屋内精密機器、低発塵環境、微振動環境
規格:JIS B 1111、JIS B 1256、ISO 13485
引用仕様書名または参考基準名:
ISO 13485 医療機器品質マネジメントシステム、IPC-A-610 電子組立品の受入基準
工程2:センサーベース基板固定
工程内容(仕様書ベース):
生体信号処理用の小型基板を樹脂ホルダーまたは金属フレームに固定します。基板反りを抑えるため、対角順序で低トルク締結を行います。
なぜその作業が必要か:
基板が浮くと、電極位置がずれます。締付力が過大になると、はんだ接合部、チップ部品、薄型基板に応力が入り、断線とノイズ発生の原因になります。
用途・役割:
マイクロネジはM1.6、M2、M2.5クラスの小型基板固定に使います。低頭ネジは筐体内部の高さ制限がある箇所に使います。樹脂ワッシャーは基板表面の傷付きと導通事故を防止します。
選定基準:
強度区分:4.8、A2-50、A2-70
材質:SUS304、A2ステンレス、ポリアミド
使用環境:屋内、低発塵環境、微振動環境、静電気管理エリア
規格:JIS B 1111、JIS B 1256、IPC-A-610
引用仕様書名または参考基準名:
IPC-A-610 電子組立品の許容基準、JIS B 1111 十字穴付き小ねじ、JIS B 1256 平座金
工程3:電極ユニット固定
工程内容(仕様書ベース):
皮膚接触電極、脈波センサー窓、導電端子をセンサーモジュールへ固定します。接触面の傾きが出ないように、座面を清掃してから均一に締結します。
なぜその作業が必要か:
電極の傾き、浮き、緩みは接触抵抗の変動を発生させます。心電、筋電、皮膚電位の測定では、この変動がノイズとして出力されます。
使用製品:
六角穴付きボタンボルト、
バネ座金、
ノルトロックワッシャー
用途・役割:
六角穴付きボタンボルトは頭部が低く、皮膚接触部周辺の突起を抑えます。バネ座金は微振動での初期緩みを抑えます。ノルトロックワッシャーは装着時の繰返し振動を受ける部位の緩み止めに使います。
選定基準:
強度区分:8.8、10.9、A2-70
材質:SUS304、SUS316、SCM435、表面処理鋼
使用環境:汗環境、腐食環境、振動環境、人体近傍使用環境
規格:JIS B 1180、ISO 4762、JIS B 1251、ISO 10993
引用仕様書名または参考基準名:
IEC 60601 医用電気機器安全規格、ISO 10993 生体適合性評価、JIS B 1251 ばね座金

