食品加工装置の製造工程と締結部品の選定
食品加工装置は「衛生性・洗浄性・耐腐食性」を最優先として設計・製造します。特にボルト・ナットなどの締結部品は、 異物混入や腐食を防ぐため、適切な材質と形状を選定する必要があります。本資料では、食品機械メーカーの設計基準および JIS・EHEDG(欧州衛生設計基準)を参考に、製造工程ごとに使用する締結部品を整理します。 現場でそのまま活用できるよう、わかりやすく丁寧に解説します。
① フレーム(架台)製作工程
工程内容:ステンレス製フレームの切断・溶接・組立を行います。
なぜ必要か:装置全体を支える骨格を構築し、強度と安定性を確保するために必要です。
用途・役割:フレーム同士を確実に固定し、構造体の剛性を確保します。
選定基準:
・強度区分:8.8を使用します
・材質:SUS304(耐腐食性を確保します)
・使用環境:水洗浄および薬品洗浄環境に対応します
・規格:JIS B1180 / ISO 4014に準拠します
引用:JIS B9650 食品機械の安全衛生設計基準
② カバー・外装取付工程
工程内容:安全カバーや外装パネルを取り付けます。
なぜ必要か:異物混入を防止し、作業者の安全を確保するために必要です。
用途・役割:表面を平滑に仕上げ、汚れや異物が付着しにくい構造にします。
選定基準:
・強度区分:4.8を使用します
・材質:SUS304を使用します
・使用環境:食品接触近傍での高頻度洗浄に対応します
・規格:JIS B1111に準拠します
引用:EHEDG ガイドライン(衛生設計)
③ 搬送・駆動部組立工程
工程内容:コンベア、モーター、減速機などの駆動部を組み立てます。
なぜ必要か:製品を安定して搬送・加工するための動力機構を構築するために必要です。
使用製品:
・六角穴付きボルト
・ノルトロックワッシャー
用途・役割:高トルクで締結し、振動による緩みを防止します。
選定基準:
・強度区分:10.9を使用します
・材質:ステンレスまたは防錆処理鋼を使用します
・使用環境:振動および連続運転環境に対応します
・規格:ISO 4762 / DIN 25201に準拠します
引用:機械設計便覧(日本機械学会)
④ 配管・洗浄系統組立工程
工程内容:CIP(定置洗浄)用配管やバルブを接続します。
なぜ必要か:装置内部を確実に洗浄し、衛生状態を維持するために必要です。
用途・役割:液体の漏れを防止し、密閉性を確保します。
選定基準:
・強度区分:規定トルクで締結します
・材質:SUS316を使用します(耐薬品性を確保します)
・使用環境:高温洗浄および薬品環境に対応します
・規格:JIS G4305に準拠します
引用:食品機械CIP設計指針
⑤ 電装・センサー取付工程
工程内容:センサー、配線、制御機器を取り付けます。
なぜ必要か:誤動作を防止し、安全に装置を制御するために必要です。
用途・役割:接触不良を防止し、振動による緩みを抑制します。
選定基準:
・強度区分:4.8を使用します
・材質:SUSまたはメッキ鋼を使用します
・使用環境:湿気および振動環境に対応します
・規格:JIS B1111に準拠します
引用:電気設備技術基準
⑥ 最終組立・衛生検査工程
工程内容:全体を組み立てた後、締結状態および洗浄性を確認します。
なぜ必要か:異物混入を防止し、安全に稼働できる状態で出荷するために必要です。
使用製品:
・座付き袋ナット
・六角穴付ボルト ワッシャー付
用途・役割:露出部の安全性を高め、洗浄しやすい構造を実現します。
選定基準:
・強度区分:8.8を使用します
・材質:SUS304を使用します
・使用環境:食品接触および洗浄環境に対応します
・規格:JISおよびEHEDG基準に準拠します
引用:EHEDGおよび食品衛生法設備基準
食品加工装置では、「腐食しないこと」「汚れが溜まらないこと」「分解して洗浄できること」が重要です。 そのため、ステンレス材の採用、突起の少ない締結方法、緩み止め対策を工程ごとに適切に選定します。 締結部品の選定は品質と安全に直結するため、基準に基づいて確実に選定・管理します。
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