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ステンレス値上げ再加速 素材高と労務費上昇でネジ製品価格にも波及

ステンレス値上げ再加速 素材高と労務費上昇でネジ製品価格にも波及

いつもネジクルをご利用いただきありがとうございます。

2025年11月19日時点の鋼材マーケット情報(2025年11月10日付 VOL.275・サンコーインダストリー株式会社資料)をもとに、鉄・黄銅・ステンレス(SUS)を中心とした相場とネジ製品への影響を整理しました。

ネジクルの視点【2025/11/19 482号】

1.市況表(国産一級品の月間国内平均市況)

鋼材市況は、鉄鋼の一部で弱含みが見られる一方、非鉄金属を中心に上昇傾向が続いています。特に電気銅とアルミ地金は前月比で上昇しており、今後のネジ製品コストに影響を与える可能性があります。

品名 サイズ・他 単価 前月比 傾向
線材 SWRCH 高炉 紐付 229,000 円/t -
線材 SCM 高炉 紐付 254,000 円/t -
スクラップ 国内屑 H2 炉前 41,000 円/t +1,000
米国屑 C&F アジア 332 $/t +12
棒鋼 SD295A D16-25 95,000 円/t -
H形鋼 SS400 200×100 112,000 円/t -
コラム STKR 9×300×300 160,000 円/t -3,000
特殊鋼丸棒 SC φ25-100 183,000 円/t -
冷延鋼板 SPCC 1.2×4×8 115,000 円/t -
高力ボルト M20-22 410,000 円/t -
電気銅 - 1,660 円/kg +80
アルミ地金 - 454 円/kg +24
ニッケル LME - 15,272 $/t +63

2.トピックス

日本製鉄ステンレス鋼板、ニッケル系冷延薄板・厚中板をトン当たり5,000円値上げ

日本製鉄は10月契約分のステンレス鋼板について、ニッケル系冷延薄板と厚中板をトン当たり5,000円値上げしました。原料価格と為替の動向を踏まえた対応であり、ニッケル系の値上げは2か月ぶりです。7月以降の需給タイト化に伴うモリブデン価格の強含みを反映し、モリブデンエキストラも改定され、代表鋼種であるSUS316およびSUS316Lはトン当たり30,000円の大幅な引き上げとなっています。薄板は業務用厨房向けを中心に堅調、厚中板は造船関連需要が旺盛です。

日本製鉄、フェロクロム調達価格を前期比7%引き上げ

ステンレス原料であるフェロクロムについて、日本製鉄は10-12月積みの調達価格交渉で7-9月比7%高で主要生産者と合意しました。3四半期連続の値上がりです。大手生産者グレンコアが全工場を休止するなど、南アフリカの生産者が採算難に直面するなか、供給継続を優先する形で値上げを受け入れた格好です。南アフリカの厳しい事情から、今後もクロム価格が一段と上昇する可能性が指摘されています。

オーエスジー、12月より製品価格を段階的に改定

オーエスジー株式会社は12月からタップ、エンドミル、ドリル、ゲージ、圧造工具など広範な製品について価格を改定します。改定率は5%から10%超にわたり、特に圧造工具は10%以上の大幅値上げが予定されています。その他の製品についても最大7%の値上げを見込んでおり、工具関連コストの上昇がネジ製造現場にも影響することが想定されます。

JFE条鋼、形鋼販売価格をトン当たり3,000円値上げ

JFE条鋼は物流費と労務費の大幅な上昇を背景に、10月契約分からH形鋼および一般形鋼の販売価格をトン当たり3,000円引き上げます。物流業界ではガソリン価格の高騰やドライバー不足に伴う賃金引上げなどコスト増が続いており、同社は輸送費の引き上げによって輸送手段を確保し、安定供給を維持する方針です。また労働人口減少による人手不足の中で、大幅な賃上げを実施してきた結果、労務費も上昇しています。

3.ねじ等相場動向:鉄・黄銅・SUSの値上げ散見

鉄製品の材料価格自体は総じて横ばいですが、現場の労務費上昇分を価格に転嫁するため、ネジ製品の値上げが断続的に行われています。黄銅品については材料価格の高値が続いており、一部ではネジ製品価格への転嫁が始まっています。

ステンレス(SUS)については値上がりした材料の入荷が進行中で、今後さらに労務費や諸経費の上昇分も含めてネジ製品価格へ転嫁する検討が一部で始まっています。総じて、鉄は横ばい、黄銅とSUSは値上げ方向という構図が鮮明になりつつあり、調達・価格交渉の局面でも慎重な判断が求められる状況です。

ネジクル解説コメント

・鉄系材料は市況表の通り横ばい基調が続いていますが、物流費と労務費の上昇により、製品価格はじわじわと見直されつつあります。ネジクルではロットや仕様の見直し提案も含め、トータルコスト低減の相談に対応します。

・黄銅製ネジについては材料価格の高止まりにより、今後も価格転嫁の動きが続く可能性があります。黄銅から他材質への代替や、必要最小限の使用量で設計する検討を行うことで、コスト上昇の影響を抑えやすくなります。

・ステンレス(SUS)は原料とフェロクロムの値上がりに加え、モリブデンエキストラ改定の影響も大きく、SUS316系を中心にコスト増が顕著です。SUS304など他鋼種への置き換え余地や表面処理による代替など、仕様変更の相談もネジクルで承ります。

・工具・圧造工具の値上げは、ネジ製造コストに直接響きます。加工条件の最適化や標準品の活用により、工具負担を平準化することが全体コストの抑制につながります。ネジクルでは標準規格品の豊富な在庫を活かし、特注から標準への置き換え提案も行います。

・今後も物流費・人件費の上昇が続くことが想定される中、必要なときに必要な本数だけ調達できる体制を整えることが重要です。ネジクルは少量からの出荷と安定供給体制により、生産現場の在庫リスクと調達コストのバランス最適化をサポートします。

・詳細はこちら
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資料提供:サンコーインダストリー株式会社

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