いつもネジクルをご利用いただきありがとうございます。今回ご紹介するのは、日本製鉄出身の起業家が製造業の設備老朽化という深刻な課題に挑み、産業連携と効率化を推進する事例です。中小製造業の現場で起きている「設備の故障・予防保全の遅れ・部品調達の困難」に対し、デジタルとネットワークの力で立ち向かう取り組みです。
ネジクルの視点【2025/08/14-327号】
1. 設備老朽化が引き起こす生産リスク
日本の中小製造業では、老朽化した設備と予防保全不足が大きな課題となっています。生産ラインの停止や部品不足は多額の損失につながり、メーカー・修理業者の高齢化や人手不足も事態を深刻化させています。
2. 日本製鉄からの出向起業という前例なき挑戦
KAMAMESHI代表の小林俊氏は、在職中に危機感を抱き、社内制度のない中で直談判を経て出向起業を実現。自己資金での創業から約3年で200社以上・300人超の現場関係者にヒアリングし、現場に根付く“見えにくい課題”を抽出しました。
3. 設備保全・調達を支援するプラットフォーム構築
同社は、余剰部品の売買が可能な製造業向けEC、QRコード在庫管理、棚卸効率化などを一元提供。熟練技術者による現場調査や、団体と連携した保全人材育成講座も併せて展開し、設備停止リスクの可視化と回避を支援します。
4. 現場導入での成果と改善
150拠点以上で導入され、棚卸工数の大幅削減を達成した事例もあります。生産終了品情報や代替品提案、図面情報のUI組み込みにより、部品調達の迅速化と意思決定の高度化を推進しています。
5. 海外展開と将来構想
ASEANなど海外現場でも老朽化と人材不足は深刻です。KAMAMESHIは多言語対応で海外展開を進めつつ、将来的には「世界のアイデアを日本の製造現場で形にする」仕組みへの拡張を見据えています。
ネジクル解説コメント
1. 予防保全と在庫管理の要諦
設備予備品・治具・工具の統合管理は稼働率に直結します。ネジクルの締結部品供給は、現場の安定運用と計画保全の基盤づくりに貢献します。
2. 海外工場を支える標準化調達
多拠点・多言語環境では、規格の互換性と調達ルートの標準化が鍵です。国内外で同一品質の締結部品を確保できる体制が、復旧リードタイム短縮に寄与します。
3. 企業間連携で“個社最適”から“全体最適”へ
プラットフォーム連携と部品データの活用により、在庫の可視化・共用化が進みます。ネジクルの広範なカテゴリは、連携モデルの標準部品カタログとしても機能し得ます。
・詳細はこちら
https://www.jeri.or.jp/survey/202508-09_20/
【記事に関連する商品情報】
-
座金組込ねじ
設備保全で頻出する締結部位の省力化に。座金一体型で部品点数と作業手間を削減。 -
タッピングネジ
板金部品の固定や現場補修に適したセルフタッピング。臨時対応の迅速化に有効。 -
六角ボルト
高強度固定や架台・装置の組立に。規格多様で置換・標準化が容易。 -
アンカーボルト
設備や架台の基礎固定に必須。耐震性・据付安定性の確保に。 -
ナイロンナット
振動環境下でのゆるみ止めに。予防保全の定番として再発防止に寄与。
SNSでも最新情報発信中!
X(旧Twitter):https://x.com/nejikuru
Facebook:https://www.facebook.com/nejilog