いつもネジクルをご利用いただきありがとうございます。2025年6月にフランス・パリで開催されたパリ国際航空ショー期間中、「モデルロケット国際大会(IRC2025)」が実施されました。競技の模様は日本航空宇宙工業会(SJAC)が公開するレポート(2025年8月4日号)でも紹介されています(出典:SJAC資料PDF)。
ネジクルの視点【2025/08/13-284号】
1. IRC2025の開催概要
IRC(International Rocketry Challenge)は、米・英・仏・日の中高生チームが参加し、モデルロケットの設計・製作・打ち上げ、英語プレゼンテーションを総合評価する国際競技です。2025年はパリ国際航空ショー会期中に実施されました。
2. 日本の参加体制と歴史
日本は2016年から正式参画し、国内選抜(ロケット甲子園等)を通じて代表チームを決定。産学官の連携により、競技力・安全管理・国際対応の面で継続的に強化が図られています。
3. 設計要件と評価観点
競技では高度・滞空時間・ペイロードの保護性(卵の無破損)などが重視され、設計自由度が高い一方で、機体強度・重量管理・回収機構の信頼性など多面的な最適化が求められます。
4. 産学連携による技術育成
大学・研究機関・企業による練習場提供、発射実験支援、英語プレゼン指導など、地域エコシステムを活用した教育的取り組みが広がっています。
5. 人材育成・国際交流の意義
IRCはSTEM教育、課題解決力、国際コミュニケーション力を総合的に高める場であり、次世代の航空宇宙人材育成に直結する取り組みとして注目されます。
ネジクル解説コメント
1. 精密締結部の信頼性が機体性能を左右
軽量化と高剛性を両立する機体では、機体接合部、回収機構、計測装置取り付け部など、各所の締結信頼性が高度、滞空、安全回収に直結します。適正な強度区分とゆるみ止め設計の選択が鍵です。
2. 複合材・樹脂・金属の混載を支える締結設計
GFRPや木材、3Dプリント部品と金属部材の混載では、座面圧分散、熱・振動条件、ねじ山保護など実装ノウハウが不可欠です。座金組込やインサート、セルフロック系の使い分けが有効です。
3. 教育現場への技術支援の可能性
産学連携での安全講習、締結トルク管理、ゆるみ対策の基礎教育など、ネジクルの技術知見はSTEM教育の裾野拡大に資する分野と考えます。
・ 詳細はこちら:SJAC「モデルロケット国際大会(IRC2025)」レポート(2025/08/04)
【記事に関連する商品情報】
- 六角ボルト(ボルト各種) 構造部の基本締結に。強度区分の選定で機体剛性と重量最適化を両立。
- セルフロックナット 振動環境でのゆるみ抑制に有効。回収機構や計測ユニット固定部に。
- スプリングワッシャー 座面の押し付け力を補助し、締結の安定性を向上。
- 座金組込ねじ 樹脂や薄板での締結に。座面圧分散で局所応力を低減。
- タッピングねじ 下穴加工が限定される場面での実装効率化に。
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