~応力除去とは~
ステンレス製品には、通常の焼入れ・焼戻しなどの熱処理に代わり、 「応力除去」と呼ばれる処理を実施しています。
ステンレス鋼は、製造工程においてプレス加工、曲げ加工、転造加工、 切削加工などの外力を受けることで、材料内部に 「残留応力(内部応力)」が発生します。
この残留応力が残った状態では、以下の問題が発生します。
- 寸法変化
- 変形
- 割れ
- 応力腐食割れ
- 疲労強度低下
- 締結力低下
特にステンレス製ボルト・ナット・座金では、 加工時の応力残留が原因で、 締結後のゆるみや耐久性低下につながる場合があります。
次工程↓
工程1:塑性加工による残留応力発生
工程内容(仕様書ベース): ステンレス鋼に対し、冷間圧造、転造、プレス、曲げなどの塑性加工を実施します。
なぜ必要か: ボルト頭部形成、ねじ山形成、締結形状形成のためです。
使用製品: 六角穴付きボルト、 キャップボルト、 A2-70ねじ
用途・役割: 機械設備、制御盤、装置固定、配管支持などの締結に使用します。
選定基準:
強度区分:A2-70、A4-70を使用します。
材質:SUS304、SUS316を選定します。
使用環境:屋内設備、食品設備、薬品設備、屋外設備です。
規格:JIS B 1176、ISO 3506を確認します。
引用仕様書名または参考基準名: JIS B 1176、ISO 3506
次工程: 応力除去処理を行います。
次工程↓
工程2:応力除去処理
工程内容(仕様書ベース): 低温熱処理を行い、加工時に発生した残留応力を除去します。
なぜ必要か: 応力腐食割れ防止、寸法安定化、締結信頼性向上のためです。
使用製品: ステンレス高強度ボルト、 10.9六角ボルト
用途・役割: 高荷重締結部、高振動設備、高耐食設備で使用します。
選定基準:
強度区分:10.9、A2-70を使用します。
材質:高強度ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼です。
使用環境:振動設備、圧力設備、腐食環境です。
規格:ISO 898-1、ISO 3506を確認します。
引用仕様書名または参考基準名: ISO 898-1、ISO 3506
次工程: 締結品質確認を実施します。
次工程↓
工程3:締結品質確認
工程内容(仕様書ベース): トルク管理、軸力確認、ゆるみ確認を実施します。
なぜ必要か: 応力除去後の締結品質を安定化するためです。
使用製品: ノルトロックワッシャー、 バネ座金、 皿バネ座金
用途・役割: 振動によるゆるみ防止、軸力維持を行います。
選定基準:
強度区分:組み合わせボルトと同等以上を使用します。
材質:SUS304、ばね鋼を選定します。
使用環境:振動環境、高温環境です。
規格:JIS B 1251、DIN 6796を確認します。
引用仕様書名または参考基準名: JIS B 1251、DIN 6796
次工程: 完成検査へ進みます。
工程のまとめ
参照規定: JIS B 1176、ISO 3506、ISO 898-1、JIS B 1251、DIN 6796
必要商品:
六角穴付きボルト
キャップボルト
A2-70ねじ
ステンレス高強度ボルト
10.9六角ボルト
ノルトロックワッシャー
バネ座金
皿バネ座金

